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- 運送業の営業所に関する手続きがザックリ分かる。
- 手続きの開始から終わりまでの目安とハマりやすいポイントがわかる。
- ついでに無許可で営業した場合のペナルティも分かる。
この記事では営業所にかかる手続きで本来”認可”申請と言うものを、イメージしやすいように”許可”という言葉を使っています。
運送業の営業所は無許可でイジっちゃダメ
許可なく勝手に営業所を作ったりしていて、巡回指導や監査に入られると、当然、指摘の対象になってしまいます。
受ける不利益の内容は、まず定期的に行われる巡回指導では評価がFとなった場合、認可申請をすること自体に制限が設けられたため、事業の発展計画に狂いがでる恐れがあります。
さらに悪質だと捉えられれば監査に発展し、事業停止や許可取り消しを受ける可能性がでてきます。
何回言っても言うこと聞かない事業者は取り消しにするからね。と、処分基準に書かれているので、ほったらかしは絶対NGです。
まぁ監査なんてどうせそんなにこないでしょう。
と、いう意見があるのは重々承知してます。
でも、思ってもみないキッカケで監査に入られる場合があるんですよ。
監査にくるキッカケ例
- 競合他社や従業員からのチクり
- 運転者が事故を起こした
- 事業報告書・事業実績報告書の未提出
このように監査のタイミングは運送業の事業主さんではもちろんコントロールできないんです。
事業報告書を未提出の方はこちらをCHECK
事業実績報告書を未提出の方はこちらをCHECK
なので、運送業の経営許可を得ていても、営業所を新しく作ったり、場所を移転するときは必ずしかるべき手続きを経ましょうね。
営業所の選定から許可までのロードマップ
営業所の増設や移転の許可申請はけっこうな時間がかかります。
よし、やろうと思ってからその営業所が稼働するまで、移転で4~5ヶ月、増設だとだいたい半年~で見ておいたほうがよいでしょう。
この期間のうち、事前調査に十分に時間を割くべきです。
まず、許可行政の審査期間がだいたい1~3ヶ月と幅があります。
当然、確実に運行できる日時を、と予想を立てるなら最長の3ヶ月を目安とするべきでしょう。
それから、経営許可のときも頭を悩ませたと思いますが、同じように営業所の増設や移転でも立地や構造なんかの条件が複雑に絡まります。
そのため、入念な事前調査が必要で、物件の選定に時間が掛かってしまうんですよ。
特に増設の場合は後述しますが、これらに加えて資源の調達レベルによって大きく稼働時期がかわります。
具体的に条件は法令に定められていて、ここに抵触しないかチェックしますよ~、とされているのが以下の4つです。
営業所の選定にかかる法令
- 都市計画法
- 建築基準法
- 消防法
- 農地法
その他、よく質問されるモノで、
「あそこに運送業を営む他社の営業所があるからうちもOKでしょ?
と言うモノがあるのですが、それが通用しないのが運送業の許可行政の特徴なんですよ。
こういった事情からわたしは稼働するまで、だいたい半年ぐらいは見ておいたほうがよいとお伝えしています。
営業所の増設はさらにハードルが高い!運行管理者、整備管理者、車両に運転者・・・
やっと、物件に目星がついて、さて許可申請!、と行きたいところですが、新たに営業所を増やす場合は人と車の用意もしなきゃいけません。
それも、ドライバーと車だけじゃダメなんです。
営業所の移転であっても、それが営業所として許可を受けるためには適切な事業計画がないと認められません。
その事業計画は、公示に定められていて、
- 5台の事業用自動車(トラック)
- 運行管理者
- 整備管理者
- 選任運転者(ドライバー)
と、新規許可のときと同じボリュームです。
移転も同じように必要ですが、今ある営業所の人員で賄えますので、あまり問題となることは多くありません。
一方、増設はこの通り人と車両をみっちり用意しなきゃいけません。
特に運行管理者や整備管理者の調達は計画的に進めておきたいところですね。
どちらも補助者に選任しておけば、実務経験によって正の運行管理者や整備管理者に選任できるので、この手を活用しない手はないですね。
運行管理者の補助者についてはこちらをCHECK
整備管理者の補助者についてはこちらをCHECK