一般貨物自動車運送事業の経営許可を取ることができない人②

法令遵守事項イメージ

この投稿の目的と想定する読者さま

目的

  • 許可を得られない場合について知ってもらうこと

想定する読者さま

  • 一般貨物自動車運送業の許可取得を目指す事業主様
  • 昔、関与した会社で行政から罰を受けたことがあり、許可に影響がないか不安な事業主様
  • 許可取得の相談を受けた行政書士や税理士の先生方 など
目次

一般貨物自動車運送事業の経営許可を取ることができない人②

運送業を営むことが相応しくない人物に許可を与えないため、法令と運輸局の公示によって制限が掛けられています。

そのうち本稿では、中部運輸局の公示によって定められた「法令遵守」要件について解説します。

大きく分けて3つの項目のうち1つでも該当している場合、一般貨物自動車運送事業の経営許可は得られません。

公示は、他法令に渡る部分の解説が端折られているため、まずは大枠のポイントを抑えたうえでしっかり読み込んでいきましょう。

「法令遵守事項」ではなく「欠格事由」について知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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運送業の法令遵守要件のポイント

中部運輸局の公示にはどのようなことが書かれているか理解しておきましょう。

まず抑える問題点はたったの3つです。

  1. 申請者かその法人の役員が運送業の遂行に必要な法令知識を有しており、それを遵守すること
  2. 健康保険・厚生年金保険・労災保険・雇用保険の加入義務者はキチンと加入すること
  3. 申請者やその法人の役員等が貨物自動車運送事業法か道路運送法違反により、自動車その他輸送施設の使用停止以上の処分か使用制限(禁止)の処分を受けた者ではないこと

この3つは、それぞれ以下の方法で証明を行います。

役員法令試験を合格することです。

登記された常勤の役員の方が受験する必要があります。

その後、法令遵守をしなければいけないのは事業主として当然の責務ですね。

これらは加入時に提出した書類の控え(写し)を提出する必要があります。

提出のタイミングは、許可が下りた後で、運輸開始前届を行う際に提出します。

具体的な書類の例は、以下を参考にしてください。

  • 労働保険/保険関係成立届
  • 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 など

これら書類がない場合は、その他にも疎明書類はありますのでご相談ください。

貨物自動車運送事業法や道路運送法に抵触していないことを求められています。

欠格事由は、取消処分に限って関与していないことを問われていますが、こちらは自動車や施設の使用停止処分等を受けたか否かを問われています。

許可申請時には、これら事項に該当しないことを宣誓した書類を添付します。

虚偽がないか、必ず審査されますので、しっかりと確認しておきましょう。

ポイント整理

対象法令

  • 貨物自動車運送事業法
  • 道路運送法

対象者

  • 申請者
  • 申請者が法人の場合は、その法人の業務を執行する役員
    ※いかなる名称であっても、同等以上の職権や支配力を有すれば対象に含まれます(≒登記簿上の役員に限らない)
     例 相談役・顧問・事業の経営に関与し、実質的に影響力を及ぼす者

対象期間

  • 通常の違反の場合申請日前6ヶ月間
  • 悪質な違反の場合は、申請日前1年間
  • 申請日以降

対象の処分等

  • 通常の違反自動車・その他輸送施設にかかる使用停止以上の処分を受けた場合
  • 通常の違反自動車・その他輸送施設にかかる使用制限(禁止)の処分を受けた場合
  • 悪質な違反違反事実等の隠蔽、隠蔽すると疑うに足りる相当の理由がある場合
  • 悪質な違反飲酒運転、ひき逃げ等の悪質な違反行為や社会的影響のある事故を引き起こした場合
  • 悪質な違反事業停止の処分を受けた場合

その他

ここに記載する事項は、許可後の行動についてのお約束なので、申請時の審査に直結するかと言えば、そうではありません。

但し、これらを遵守することの宣誓をもって許可の条件としているため、以下の事項について守られない場合は監査の対象となることが明言されています。

  • 許可書交付時等に指導講習を受講すること
  • 巡回指導を受け、指導内容に基づいて改善すること

これらは、欠格事由に該当しないことだけでは不十分だと思われる事項について、各運輸局が設定しているものであるため、欠格事由よりシビアな内容となっています。

下記のリンク一覧にある欠格事由の記事と併せて、精読しておきましょう。

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まとめ

この投稿で抑えておきたい2つのポイント

  • この条項に該当する方はいかなる理由があっても許可を得られないこと
  • 許可取り消しはおろか、取り消し逃れで廃止届や役員辞任等をした者にまで範囲は及ぶこと

許可申請のサポート

本稿によって、許可条件等についてはわかったものの…

  • 運輸支局まで行く時間がない…
  • 書類の作成が面倒…
  • もしかすると無許可で営業している状態かもしれないから不安…
  • 1度持ち込んだけど受付すらして貰えなかった… など

こういった事情等でお困りの方は、申請書の作成から申請まで代行にて承っております。

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    この記事を書いた人

    運送業などを経て行政書士事務所を開業。 一般貨物自動車運送事業の手続きを始めとした自動車関連業務の手続きに特化。

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