どう変わる?白ナンバーでもアルコールチェックが義務化

ご相談者さま

白ナンバーのトラックや乗用車しか扱ってないけどアルコールチェックが義務化すると聞いた。
うちも対象になるのか教えて欲しい。

行政書士土井孝仁

取り締まりが強化されるとウワサされているのでご不安ですよね。
ルールとやるべきことをかんたんにしっかり解説します!

目次

ザックリ解説!白ナンバー管理における4つの主な変更点

今回の法改正によって、白ナンバー事業者が新たに負担することのうち次の4つを抑えておきましょう。
その他の細かいことはあとから解説していきます。

  • 運転前後の運転者の状態を目視等で確認すること
  • その確認の記録を1年間保存すること
  • 酒気帯びの有無をアルコール検知器を使用してチェックを行うこと
  • アルコール検知器を常に有効な状態に保つこと

このうち、管理上たいへんになるとウワサされているのが2番目の記録の保存でしょう。
何を書いていいか分からないし、正しい状態がどんな風であるのかイマイチ分かりませんよね。
その点については、順番に紹介していきますね。

さて、改正でかわることについてザックリご理解頂いたわけですが、このあとまず最優先に知っておかなきゃいけないことがあります。
実はこのルール、白ナンバー事業者全員がやらなきゃ守らなきゃいけないわけではないんですね。
ということで、次はあなたがこのルールの対象になるのかについて確認していきましょう。

うちもやらなきゃいけないの?

さて、今回の改正は負担の増える改正ですから、「やらなくていいならやりたくない」が本音ではないでしょうか?
白ナンバーでもアルコールチェック!というフレーズが先走りすぎていて、あたかも全員がやらなきゃいけないように思い込んでしまっている方も少なくないでしょう。
実際のところはそんなこともなく、一定数以上の車両をもっている事業所のみが新たに課せられる義務となっているんですね。
対象となる事業所をまとめたので次の表をご覧下さい。

改正の対象となる事業者さん
  • 乗車定員が11人以上の自動車   1台以上
  • 上記以外の自動車         5台以上

大型自動二輪、普通自動二輪(50ccを超えるもの)については1台を0.5台として計算します。
また、原動機付き自転車は対象となりません。

超重要
この台数のルールは「使用の本拠」ごとに算定します。
たとえば、A社が会社全体で乗車定員5名の乗用車を10台車を持っていたとします。
その配置先が○営業所3台、△営業所3台、□営業所4台となる場合はそれぞれの使用の本拠においては既定の数に達しないため、今回の改正のアルコールチェック等の義務からは外れます。

いかがでしたか?
白ナンバートラックだけでなく、移動用の社用車や営業車も対象となるため、その点には注意が必要なので気をつけてくださいね。
さて、ここまでで改正内容とその対象についてご理解頂いたわけですが、次はこの業務は誰がやるべきなのかを確認しましょう。

アルコールチェックなどは誰がやるの?

続いてこのセクションでは、この改正によって新たに増えたアルコールチェックやその記録などの業務をやるべき人です。
それはズバリ、原則としてその営業所の安全運転管理者もしくは副安全運転管理者と定められています。
もしかすると、初めて聞いたっていう方もいるかもしれませんね。
なので続いては、この安全運転管理者等について「どんな人がなれるか?」について改めて確認しておきましょう。
早速、本題に入っていく前に混乱しないために1点だけお知らせしておきます。
それは、安全運転管理者には正と副があり、それぞれ条件が違うということです。
では、まずは正の安全運転管理者から見ていきましょう。

安全運転管理者となるための条件
年齢20歳以上
副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上
実務経験①自動車の運転の管理に関し2年以上の実務経験を有する者等
②上記のものと同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した者
その他欠格事項にあてはまらない者であること

続いては、副安全運転管理者です。
大きな違いは必要な実務経験だけですね。
なお、副安全運転管理者は、配置する自動車の数によって置かなければならないかどうかが決まります。
その他、職務内容は正の安全運転管理者の補助とされているため、独断で安全運転管理者の業務を行うことはできないと考えておくと良いでしょう。

副安全運転管理者となるための条件
年齢20歳以上
実務経験①自動車の運転の管理に関し1年以上の実務経験を有する者等
②自動車の運転について3年の経験を有する者
③上記のものと同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した者
その他欠格事項にあてはまらない者であること
副安全運転管理者が必要かどうかを確認するための表
自動車の台数配置すべき副安全運転管理者の人数
19台まで0人
20~39台1人
40~59台2人
60台~79台3人
80台~99台4人
100台~119台5人
120台~139台6人
140台~159台7人

ご覧いただいたとおり、条件自体はぱっと見そんなに厳しくはないように見えますよね。
問題はどのように安全運転管理者に就くのかです。
ザックリですが、条件を満たしていることを書面等で証明して、管轄の警察署等でお手続きすることで安全運転管理者等に就任することができます。
お手続きに関する解説は別の記事で紹介しておりますので、この記事では今回の改正で新たに課せられた義務をどのように果たしていくべきか。
そのもっとも重要な点についてしっかり確認していきましょう。

安全運転管理者等のお手続きに関する記事はコチラ

うちはどうやら対象のようだ、さあどうやって管理していこうか

さて、いよいよあなたの事業所もこの改正に引っかかってきそうなことが明らかになってきたころでしょうか。
うちは白ナンバーだから関係ないと思っていたことが、急にやらなきゃいけなくなり戸惑いもあることでしょう。
でも、心配はいりません。
この記事を読んでいただければ、安心して今回の改正に対応できるので、もう少しお付き合い下さいね。
さて、それでは改めて今回の改正で義務づけられた4つの点について確認しましょう。

  • 運転前後の運転者の状態を目視等で確認すること
  • その確認の記録を1年間保存すること
  • 酒気帯びの有無をアルコール検知器を使用してチェックを行うこと
  • アルコール検知器を常に有効な状態に保つこと

このとおり、大きく分けて4つでしたね。
このうち、下の2つは分かりやすいですよね。
アルコール検知器をつかって、アルコールチェックを行い、その検知器を常に良い状態にしておきましょうということなので、心配はいりません。
また、使うべきアルコール検知器についてはつぎの機能を備えるものと定められています。

  • 呼気中のアルコールを検知するものであること
  • その有無や濃度を警告音、警告灯、数値などによって示す機能があるもの

設置型や携行型などの形などの指定はありませんので、定められた機能を備えていることを確認した上で、お仕事の実態にあわせて使いやすいものを選んでご購入しておきましょう。
それでは使うべき機器まで理解が進んだということで、続いては問題となる点呼について手順を確認していきましょう。

これさえ見れば今日からできる 点呼の手順の決定版!

さて、このセクションではステップごとに点呼の手順を確認していきます。
本題に入る前におさらいですが、原則として点呼を執り行うものは安全運転管理者か副安全運転管理者です。
ただし、その他の従業員等が酒気帯びの確認を行なうことは禁止されていませんので、業務を補助してくれる方にお願いするのはOKです。
それでは早速、点呼の手順を確認していきましょう。

STEP
車を使う人が日常点検を行なう

点検後、整備管理者を置くことが義務づけられている事業所は日常点検結果を整備管理者に報告して、運行ができるかどうか判断を仰ぎましょう。

整備管理者を置かなければならい事業所って?
自家用バス(乗車定員30人以上)1両以上
自家用バス(乗車定員11人以上29人以下)2両以上
トラック等(乗車定員10人以下、車両総重量8t以上)5両
自家用自動車にかかわる部分のみ抜粋

この他にも整備管理者を置かなければならない事業所がありますが、自家用自動車に関する部分のみを抜粋して紹介しています。

STEP
【改正】車を使用する前の確認

運転者は安全運転管理者等に、日常点検の結果を報告するとともに確認を受けます。
確認を受けるものはアルコールチェックを含む次の5つです。

  • 日常点検の結果
  • 酒気帯びの有無を目視等で確認 改正
  • 過労となっていないか
  • 病気ではないか
  • その他、正常な運転を妨げるようなことはないか

今回の改正は5つの確認項目のうち、酒気帯びの有無について目視等で確認することを義務づけました。
さらに、酒気帯びの有無についてはアルコール検知器を使うことを定めています。
そして忘れてはならないのが、この確認は車を使う前に行なうことと定められているんですね。
そうすると直行直帰の場合はどうするの!?という疑問が沸いてくることでしょう。
その点はちょっと細かくなるので、全体の流れを解説したあとにご説明しますね。

STEP
指示をあたえる

安全運転管理者等は目視等での確認で問題がないと判断したら、安全に運転をしてもらえるよう、必要なことを指示します。
雨が降っていればスリップ、雪なら凍結、霧がでるならヘッドライトの操作など、天候にあわせた指示や道路の混雑が予測されるならその時間や場所など、その日考えられるリスクを伝えておくことなどが望ましいでしょう。

STEP
業務を行なう

業務中に新たに課せられた義務はありません。

STEP
【改正】車を使用した後、酒気帯びの有無を確認

お仕事を終えた車の使用者の方は、目視等によって酒気帯びの有無を確認してもらいます。
繰り返しになりますが、この際にアルコール検知器を使用することが今回の改正で定められました。

STEP
【改正】酒気帯びの有無のチェックの結果を記録・保存する

ステップ2とステップ5で確認した結果のうち、アルコールに関することがらを記録して保存しておくことが義務づけられました。
その記録しておくべき項目も明らかになっており、次の8つと定められています。

  1. 確認者名
  2. 運転者
  3. 運転者がつかう自動車の自動車登録番号など
  4. 確認の日時
  5. 確認の方法
    1. アルコール検知器の使用の有無
    2. 対面で確認してない場合はその具体的な方法
  6. 酒気帯びの有無
  7. 指示事項
  8. その他必要な事項

記録の方法は特に定められていることが確認できないため紙面が望ましいでしょう。
すぐに提示できる状態にしておく必要があります。

STEP
アルコール検知器を有効な状態に保つ

この項目は、アルコール検知器を制作した者が定めた取扱説明に従って適切に管理することが求められています。
特にそういったものがない場合であっても、定期的に故障の有無は確認し、故障がないものを使用することが求められています。

以上が今回の法改正が新しく要求しているものを含めた業務の手順です。
なかなか、ボリュームがありますよね。
さて続いては。直行直帰の方等についてどのようにすれば良いか確認しておきましょう。

負担がかるくなる超重要なポイント

今回の改正は、「目視等」でアルコールの有無を確認することを義務付けています。
そして目視等ということなので、原則は対面で確認することを求めています。
ところが、社用車で直行直帰をすることを日常的に行なっている方も少なくないのが実態です。
そのため、原則対面で確認する義務について緩和する方法が用意されています。
その方法を確認しておきましょう。

対面で確認できないときの方法 その1

カメラやモニターなどによって、安全運転管理者等が運転者の顔色、応答の声の調子などを確認する。
その上で、アルコール検知器による測定結果を確認する。

アルコール検知器の測定結果の確認方法までは定められていませんが、数値を申告させるだけよりは、せっかくカメラ、モニターを使用するのであれば、その過程や結果を表示させ目視で確認する方が望ましいでしょう。

対面で確認できないときの方法 その2

携帯電話や業務無線など運転者と直接対話できる方法によって、安全運転管理者等が運転者の応答の声の調子などを確認する。
そのうえでアルコール検知器による測定結果を報告させる。

必ずしも、対面でやらなきゃいけないわけではないことが分かったので少し安心できましたよね。
とはいえ、万が一、飲酒事故が起きた場合は今まで以上に厳しく責任を追及されるでしょうから、どうせやるなら対面でしっかりできる体制を作っておきましょうね。
最後に、この改正への対応をいつまでにやらなきゃいけないかを確認して終わりにしましょう。

ルールは分かったけどいつからやらないといけないの?

さて、ルールとやり方は理解できたけど、アルコール検知器を買わなきゃいけないですし、従業員への伝達もしなきゃいけない。急にやれといわれても中々難しいですよね。
この点はご安心ください。
まだまだ準備にかける時間は残されています。(この記事は令和3年12月30日に公開されました)
いつまでに準備をしなければいけないか、確認していきましょう。
なお、このルールが始まる時期はつぎの通り、2つに分かれています。

令和4年4月1日スタート
  • 運転前後の運転者の状態を目視等で確認すること
  • その確認の記録を1年間保存すること
令和4年10月1日スタート
  • 酒気帯びの有無をアルコール検知器を使用してチェックを行うこと
  • アルコール検知器を常に有効な状態に保つこと

この通り、アルコール検知器を調達するために6か月以上も準備期間が設けられているんですね。
もしかすると直前には、需要が大きくなり品不足になっていて目当てのものが買えない、なんてことも考えられます。
運良くこの記事をはご覧頂いた方は、余裕をもった準備をされてくださいね。

白ナンバー事業者の新たな義務まとめ

さて、記事のボリュームが大きくなってしまったので最後に超重要なポイント2つをおさらいしておきましょう。

この法改正の超重要なポイント その1

この改正の大きなポイントはたったの4つでしたね。

  • 運転前後の運転者の状態を目視等で確認すること
  • その確認の記録を1年間保存すること
  • 酒気帯びの有無をアルコール検知器を使用してチェックを行うこと
  • アルコール検知器を常に有効な状態に保つこと
この法改正の超重要なポイント その2

白ナンバーの車があるからといって全事業者がやる必要はありませんでしたね。
具体的には、安全運転管理者を置かなければならないとされている事業所でした。
自動車の数については、会社単位ではなく、事業所単位で計算するのもポイントでしたね。

改正の対象となる事業者さん
  • 乗車定員が11人以上の自動車   1台以上
  • 上記以外の自動車         5台以上

大型自動二輪、普通自動二輪(50ccを超えるもの)については1台を0.5台として計算します。
また、原動機付き自転車は対象となりません。

超重要
この台数のルールは「使用の本拠」ごとに算定します。
たとえば、A社が会社全体で乗車定員5名の乗用車を10台車を持っていたとします。
その配置先が○営業所3台、△営業所3台、□営業所4台となる場合はそれぞれの使用の本拠においては既定の数に達しないため、今回の改正のアルコールチェック等の義務からは外れます。

白ナンバー事業者さんにとっては、寝耳に水でびっくりされたことと思います。
とはいえ、この改正は人命を守るためにはとても重要な改正であると思います。
大変な改正ではありますが、あなたのご家族が飲酒運転事故の被害者となってしまったときのことを思い浮かべ、前向きに取り組んで貰えることを心から願っています。

それでは今回の記事はここまでです。
ご高覧ありがとうございました。

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この記事を書いた人

運送業などを経て行政書士事務所を開業。 一般貨物自動車運送事業の手続きを始めとした自動車関連業務の手続きに特化。

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