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- 利用運送がどんな仕事かわかる。
- 利用運送の許可を得るためにはどうしたら良いかわかる。

ザックリわかる利用運送はこんな事業
結論、運送業の許可がなくても運送のお仕事を引き受けることができる事業です。
色んな観点があるので一概にこういう視点だけで見るのは語弊を生じるかもしれませんが、許可を目指すお客さまのほとんどのニーズがこれに該当します。
まず、許可申請が必要となる事業モデルの例を見てみましょう。
- 運送の依頼を受ける
- トラック事業者に運送をお願いする
- 荷主から運賃を貰う
- トラック事業者に運賃をお支払いする
代表的なものはこんな感じです。
ポイントは「荷主から」と「運賃を貰う」ところです。
これがもし、以下のようなモデルを想定しているのであれば利用運送の許可はいりません。
- 自社の荷物をトラック事業者に運んで貰う
- その対価として運賃をお支払いする
あまり、メジャーな許可ではないため知らずにやってしまっている方もいらっしゃいます。
ご自身の事業が該当しているかどうかも判断が付きにくいことが原因でしょう。
記事を読んでみたけどちょっと分からない、事業の計画があるけどもしかしてこれって許可いるの?と問題が解決しない方は遠慮無くご相談下さい。
「利用運送業の許可が必要かどうか判断が付かない」とお伝え下さい
受付時間 08:00~20:00
(土日祝はホームページをご覧のお客さまのみ可)
つづいて、利用運送事業を営む上でのリスクを確認しておきましょう。
不思議な業態なので、ちょっと注意が必要です。
これだけは知っておこう、利用運送事業のリスク
一見すると利用運送事業はノーリスクに見えます。
これが怖いところで、実際には荷主さんを保護するため、一定の場合に利用運送事業者に責任を負わせるよう、国土交通省が手当をしています。
具体的には「運送責任は貨物利用運送事業者が負う」とされています。
下図をご参考ください。
これを見ると、実務的に保険はどうするのか?と、いうような疑問がわいてくるかと思います。
実際、代理店を営んでいる方にお話しを聞いてみましたが、輸送中の事故に関しては「実運送事業者」の保険を利用するケースがほとんどだ。と、仰っていました。
当然、事業者さんごとの関係性が影響したり、保険会社ごとでも考え方に違いがあるでしょうから、参考程度に留め、必ず相談・確認して選択してくださいね。
利用運送の許可が欲しい!どんな準備をすれば良いの?
許可を得るためには条件が付けられています。
詳細は以下の通りです。捕捉が必要なところは続けてひとつずつ捕捉を入れています。
- 一年以上の懲役又は禁錮この刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
- 第一種貨物利用運送事業の登録(許可)又は第二種貨物利用運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者
- 申請前二年以内に貨物利用運送事業に関し不正な行為をした者
- 法人であって、その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下同じ。)のうちに前三号のいずれかに該当する者のあるもの
- 船舶運航事業者若しくは航空運送事業者が本邦と外国との間において行う貨物の運送(以下「国際貨物運送」という。)又は航空運送事業者が行う本邦内の各地間において発着する貨物の運送(以下「国内貨物運送」という。)に係る第一種貨物利用運送事業を経営しようとする者であって、次に掲げる者に該当するもの
イ 日本国籍を有しない者
ロ 外国又は外国の公共団体若しくはこれに準ずるもの
ハ 外国の法令に基づいて設立された法人その他の団体
ニ 法人であって、イからハまでに掲げる者がその代表者であるもの又はこれらの者がその役員の三分の一以上若しくは議決権の三分の一以上を占めるもの - その事業に必要と認められる国土交通省令で定める施設を有しない者
- その事業を遂行するために必要と認められる国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない者
許可が必要なことや、条件があることは分かったけど、自分で判断するのはちょっと怖いと言う方は、許可申請の代行を承っておりますので1度ご相談下さい。
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続いて補足事項を確認していきましょう。
国土交通省令で定める施設とは?
国土交通省令で定める施設とは以下の施設を指します。
- 使用権原がある営業所、店舗を有していること
- 上記営業所等が都市計画法等関連法令の規定に抵触しないこと
- 保管施設を必要とする場合は、使用権原のある保管施設を有していること
- 上記保管施設が都市計画法等関係法令の規定に抵触しないこと
- 上記保管施設の規模、構造及び設備が適切なものであること
これら5項目が、利用運送の施設として求められる条件で、これらを満たさない施設は、使用できません。
このうち、都市計画法に関する調査が1番難しくハマりやすいポイントです。
間違えてしまうと、虚偽申請となり、許可は無効となる可能性があります。
国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎とは?
この規定が要求する財産的基礎とは純資産で300万円以上所有していることです。
これは、基本的に貸借対照表や等によって証明します。
キャッシュで300万円あろうが、純試算で300万円を超えていなければ許可されません。
超重要なポイントなので、気をつけて下さい。
必要な書類について
ここまでは条件について説明してきました。
ここからは具体的にその条件に該当しないことを証明するために揃える書類を確認していきましょう。
申請書と添付書類の2種類に分けて確認していきましょう。
申請書
申請書は各支局のホームページでダウンロードできます。
記載する事項は以下4点です。
- 氏名または名称及び住所(法人の場合はプラス代表者氏名)
- 主たる事務所、その他営業所の名称と所在地
- 事業の経営上使用する商号があるときはその商号
- 利用運送機関の種類、利用運送の区域または区間と業務の範囲
続いて添付書類を確認していきましょう。
添付書類
添付書類は大きく分けて5種類です。
種類ごとに何が必要なのか確認していきましょう。
事業の計画に関する書類
こちらも、申請書同様、運輸支局のHPでひな形が公開されており、以下に関する記載を求めています。
- 利用する運送を行う実運送事業者または貨物利用運送事業者の概要
- 貨物の保管体制を必要とする場合にあっては、保管施設の概要
- その他事業の計画の内容として必要な事項
赤字で示した事項に関しては以下のように細かく指定があります。
- 氏名または名称と住所(法人の場合はプラス代表者名)
- 主たる事務所その他の営業所の名称と所在地
- 事業の経営上使用する商号があるときはその商号
- 利用運送機関の種類
- 利用運送の区域または区間
- 業務の範囲
利用する運送を行う実運送事業者または貨物利用運送事業者との運送に関する契約書の写しまたは契約書(案)
実運送事業者との利用運送契約書を添付することを求めています。
契約書(案)の場合は許可される日までに本契約書の提出が必要です。
契約書には、適切な価額の収入印紙を貼っておきましょう。
その他、この契約書の具体例は以下の通りです。
- 業務取扱契約書
- 国内(国際)貨物代理点契約書(写) など
弊所にご依頼頂いた方には、一般的な内容の契約書で問題ないお客さまに限りプレゼントしています。
ご希望の方はご検討ください。
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貨物利用運送事業の用に供する施設に関する事項を記載した書類
「国土交通省令で定める施設とは?」で解説した、第一種貨物利用運送事業に求められる施設を有していることを証明する書類のことを言っています。
具体的には以下の通りです。
- 保管施設の面積、構造と付属設備を記載した書類
※貨物の保管体制を必要とする場合のみ - 都市計画法等関係法令に抵触しないことを証する書類(宣誓書)
- 営業所等の使用権原を有することを証する書類
- 基幹保管施設以外の保管施設について、適切な規模、構造及び設備を有するものであることを証する書類(宣誓書)
赤字で記載の通り、貨物の保管をする場合、その体制が十分であることを証明する必要があるのですが、保管するものによって必要な記載事項が変わります。
記載に過不足がないよう気をつけましょう。
申請者の区分ごとに異なる書類
以下に区分された申請者のうち、当てはまる申請者区分の書類を用意する必要があります。
法人の場合
- 定款または寄付行為と登記簿の謄本
- 最近の事業年度における貸借対照表
- 役員または社員の名簿と履歴書
定款・登記簿謄本の目的欄に「貨物利用運送事業」の設定が必要です。
愛知運輸支局では、登記が完了していないと受付をして貰えません。
申請の際はお気を付け下さい。
法人を設立しようとする場合
- 定款または寄付行為の謄本またはこれらの案
※案の場合は定款認証後、定款か寄付行為の謄本を提出すること - 発起人、社員または設立者の名簿と履歴書
- 株式の引き受けまたは出資者の状況と見込みを記載した書類
※設立しようとする会社が株式会社の場合のみ
個人の場合
- 財産に関する調書
- 戸籍抄本
- 履歴書
法第6条第1項第1号~5号のいずれにも該当しない旨を証する書類
これは、許可条件の冒頭で解説したこの1~5の事由のいずれにも該当しないことを宣誓する書類です。
単純な書類のため、作業的に押印してしまうと虚偽申請に繋がる恐れがありますので十分によく読んでから作成しましょう。
まとめ
第一種貨物利用運送事業の許可申請について、理解を深めて頂くことが出来たでしょうか?
体感的に、この許可は認知度がとても低いです。
もしかして知らずのうちにやってしまっていたかもと、気になった方等を初めお困りの方はぜひご相談下さい。
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その他あとがき
- 実際に受ける必要があるのは「許可」ではなく「登録」ですが、馴染みやすい「許可」という言葉を使っています。
- 利用運送事業は、大きく分けて2つの種類があります。この記事では、2種類のうち、最もご相談の多い第一種利用運送事業というものを解説しています。
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