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- 監査と巡回指導の違いについてザックリわかる
- 監査や巡回指導に入られる原因がわかる
巡回指導と監査って何が違うの?
巡回指導と監査は、どちらも「検査」をするといった点、「輸送の安全を目的とする」という点では同じですが、異なる点もたくさんあります。
例えば、「実施機関」「受ける不利益の内容」「対象事業者」などがあります。
違いを理解して、それぞれに正しく備えられるよう執筆していますので、順番に見ていきましょう。
実施機関
実施機関とは、要するに「誰が」検査をしに来るか、ということです。
そんなことはどうでも良いと思われるかもしれませんが、意外と重要なところなんです。
まず、「監査」ですが、これは運輸局や運輸支局などの職員が行います。
続いて、「巡回指導」ですが、これは地方貨物自動車運送適正化事業実施機関が行います。
具体的には、現在は各都道府県のトラック協会が担っています。
前者は行政、後者は委託機関である点がとても重要です。
直接、処分を下すことができる機関と、そうでない委託機関、どちらに見られるのが怖いでしょうか?というところですね。
受ける不利益の内容
受ける不利益の内容については、実施機関と大きく関連しています。
実際に処分を下すことができるのは行政ですから、監査で受ける不利益について理解することが大切でしょう。
それぞれ確認していきましょう。
監査で受ける不利益
監査で受ける不利益は「許可の取り消し」を初め「事業の停止」「車両の使用差し止め」などがあります。
それぞれ違反の内容によって、点数が決められており、悪質なものであるほど蓄積する点数が高くなっています。
こういった仕組みのため、小さい処分でも点数が蓄積していき、最終的に許可の取り消しに至ることがあります。
但し、しっかりと改善をしてその状態を維持しておれば、3年で蓄積した点数は消滅します。
要は、反省しない事業者さんには厳しい対応を取っていくというスタンスですね。
この3年の期間を2年に短縮することができる制度があります。詳しくは別途ご相談ください。
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巡回指導で受ける不利益
地方貨物自動車運送適正化事業実施機関が直接、事業者に対して行政処分をくだすことはできません。
しかし、イコール不利益を受けないワケではありません。
後述しますが、地方貨物自動車運送適正化事業実施機関の情報提供によって監査に発展することがあるほか、令和元年10月の法改正によって直近の巡回指導で評価が「E」以下であった場合、「認可申請ができない(=事業が拡大できない)」という運用に変わりましたので、巡回指導から直接不利益が生じる部分も今後増えていくかもしれません。
全項目の改善が完了していれば、認可申請は可能です。
もし、現在準備ができていないのであれば、まずは巡回指導に耐えうる体制を整えていきましょう。
相談は随時承っております。
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どうしたら監査対象や巡回指導の対象となるの?
監査と巡回指導の違いがなんとなく分かって頂けたでしょうか?
この記事では最後にどういうことをすると、監査や巡回指導に入られてしまうのか、これを確認していきましょう。
まずは巡回指導から確認します。
巡回指導がやってくる原因は?
実は、後述する監査と違って、巡回指導が入る原因は公にはされていません。
国土交通省の資料の中で「2~3年に1回実施」という記述がありますのでこれが一定の目安になるでしょう。
ただ、お話を聞くと、来ていないところには本当に長い間来ていないことも稀にあるようです。
長らく巡回指導が来ていないと、法改正に対応できていないことをはじめ、とても通知が来てから巡回指導までに是正できるレベルじゃないこともままあります。
繰り返しになりますが、令和元年の10月改正では、巡回指導で「E」評価となると、事業規模の拡大に直接制限が掛かるなど、不利益が大きくなりました。
ご不安のある方は是非ご相談ください。
巡回指導は、全国約400名の指導員をもって、約83,000箇所を回られているそうです。
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監査がやってくる原因は?
巡回指導と違い、監査がやってくる原因は文書によって公にされています。
監査原因となる項目は23種類とたくさんあるので、この記事では代表的なものを抜粋してご紹介します。
それでは確認していきましょう。
情報提供によるもの
地方トラック協会(地方貨物自動車運送適正化事業実施機関)や荷主さんなどの利用者からの情報提供によるものです。
平たく言えば、チクリですね。
事故に起因するもの
事業者が第1当事者と”推定される”死亡事故を引き起こした場合、と書かれています。
いろいろと限定的な記述がありますが死亡事故に関与してしまった場合は、監査に備えた方が良いです。
他にも事故に起因する監査原因が規定されていますが、本稿では割愛致します。
不安な方は直接ご相談ください。
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悪質な交通違反に起因するもの
具体的な違反内容が定められています。
明文となっている違反は以下の通りです。これらに該当する違反を運転者が引き起こした場合は、監査に入られることを想定しておきましょう。
またこれらに限らず、報道されるなど社会的に影響を与えるような事故を起こした場合も監査原因のひとつとして規定されていることを覚えておきましょう。
- 救護義務違反(ひき逃げ)
- 酒酔い・酒気帯び運転
- 薬物等使用運転
- 妨害運転
- 無免許運転
- 過労運転
- 無資格運転
- 無車検・無保険運行
行政機関からの通報によるもの
こちらも、通報と書かれていますが要はチクリです。
公安委員会や労働局、道路管理者、労働関係行政、日本年金機構が明文化されています。
つまり、これらの機関から処分を受けたり、立ち入り等で法令違反が見つかれば、運輸行政の監査に繋がる恐れがあるということですね。
その他、本稿では詳しく触れませんが下請からのチクリも明文化されています。(この場合、元請け下請けの両方が監査対象になる可能性があります)
報告書関連の不備によるもの
提出義務書類を期限までに提出していない、不実記載がある、記載内容から法令違反が疑われるという3つのパターンのいずれかに該当すると監査対象になると書かれています。
この機会に、次の3つの報告書について確認しておきましょう。
- 事業報告書
- 事業実績報告書
- 事故報告書
これら報告書は、令和元年10月改正によって、事業規模の拡大手続きを行う場合もこれらの報告書の提出が必須になっています。
つまり未提出等は、監査の原因になるほか、事業規模拡大時に足枷となるという二重苦を強いられますので、毎年期限までに必ず提出しましょう。
弊所ではこれら報告書の作成・提出の代行も承っておりますのでお困りの方はご相談ください。
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その他ゼッタイに注意しなければならないこと
監査によって、行政処分が免れられないことが分かると、どうにか逃げる方法を考えたくなるものです。
例えば、止められては困る車を他の事業者さんに車両を移して預かって貰うなんて手段を考えたとします。
一見名案のように思えますが、現実は甘くなく、この対応は車両の移動先の事業者さまに迷惑を掛けることとなってしまいます。
なぜなら、行政文書に事故や重大違反を起こしたあとに車両を移動させたら、移動させた先でも監査しますよ。と書かれているのです。
このように、ズルいことをすると思わぬしっぺ返しが予定されているので、真摯かつ慎重な対応が求められます。
しっかり備えておきたい方や、運送業のコンプライアンスについて詳しく知りたい方は別途ご相談ください。
まとめ
長くなってしまいましたので、最後に振り返っておきましょう。
コンパクトにまとめるとこんな感じです。
実施機関 | |
巡回指導 | 地方貨物自動車運送適正化事業実施機関(都道府県トラック協会) |
監査 | 行政庁の職員 |
不利益 | |
巡回指導 | 改善命令、行政への情報提供(チクリ)、認可申請が一定期間できない |
監査 | 許可取り消し等の行政処分 |
原因 | |
巡回指導 | 不定期(2~3年に1回) |
監査 | 規定された23種類の原因 |
本稿を通じて事業者さまにお伝えしたいことは監査も巡回指導も、一朝一夕で対応するのは困難であるということです。
また、いくら指導を行なったとしても100%従業員に問題を起こさせないことは不可能に等しいです。
そのため、日頃からコンプライアンスを遵守していく体制を構築していくことこそが、事業にとって最良の成果をもたらすものと考えています。
そのためのお手伝いは、喜んで承らせて頂いておりますので、是非ご相談ください。
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