利用運送ってよく聞くけど、許可が必要なの?

ご相談者さま

取引をするうえで、利用運送の話をよく聞くけどそもそも許可が必要なの?
もし許可が必要なら、うちは取らなきゃいけないの?

行政書士土井孝仁

そういうことでしたらおまかせ下さい。
利用運送について、わかりやすく解説していきますね。

目次

利用運送の許可がいる場合といらない場合

利用運送の許可が必要かどうかの判断は、ちょっと複雑です。
混乱回避のため、この記事では1番相談件数の多い「トラックなどの自動車を利用した利用運送事業」に絞って解説していきます。

まずはつぎの3項目のうち、いくつあてはまるか数えながら全て確認していきましょう。

  • 請けた運送のお仕事を外注することがある
  • 外注にかかる費用・報酬などを依頼者に請求している
  • 荷主に対する運送の責任は自社が負っている

さて、いくつあてはまりましたか?
ズバリ、この①~③までの全てにあてはまった方は利用運送に関する何らかの許可が必要です。
このうち、①と②はわかりやすかったかと思いますが、③は“どういうこと?”と思った方もいらっしゃると思います。
これはシンプルにお客様に対して、実際の運送を行なわなくともその荷物が届くまでの責任を負っているかどうか、とお考え下さい。

ご相談者さま

なるほど、うちは手数料をもらうけど、事故とかそういうのは実運送の下請さんが責任を負っているから利用運送の許可はいらないね。

行政書士土井孝仁

その考え方はちょっと危険です。次の図をちょっと見てみましょう

この通り、利用運送を行うものは荷主に、実際の運送を行うものは利用運送を行うものに、それぞれ責任を負っているのです。

例えば事故が起きた場合、荷主に対して一旦、利用運送を行なうものが損害の賠償をして、実運送を行ったものに対して後から損害の賠償を請求するといった場合には、図の通りの構造となるでしょう。そうなれば、利用運送事業にあてはまり何らかの許可等が必要となります。

行政書士土井孝仁

つぎのセクションでは取得するべき許可等の選び方が書かれています。
判断が難しいところなのでやさしく解説しています。

メモ帳をご準備のうえ、「利用運送のホームページをみた」とお伝え下さい。

利用運送許可の種類と選びかた

さて、許可等が必要と判断された場合、どんな許可をとるべきなのか、これを整理していきましょう。

まずはあなた次のどちらにあてはまるかチェックしてみてください。

  • 一般貨物自動車運送事業の許可を持っている
  • 一般貨物自動車運送事業の許可を持っていない

続いて持っている場合について、詳しくみていきます。
ズバリ、持っている場合は選択肢が2つあります。
取引先の業種によって、選ぶべき方法が異なりますのでご注意下さい。

一般貨物自動車運送事業の許可を持っている場合の選択肢

外注先が一般貨物自動車運送事業に限られる
一般貨物自動車運送事業の事業計画変更認可申請にて貨物自動車利用運送を行なう旨の申請を行なう

外注先に仲介だけを行なう第一種貨物利用運送業者が含まれる(またその可能性がある)
第一種貨物利用運送事業の許可(登録)を取る

それぞれ、許認可等の条件についてはこの記事では省略しますが、必要な許認可についてはこれで整理ができると思います。
許可条件に関する記事は今しばらくお待ちください。

行政書士土井孝仁

最後のチャプターでは、許可等を取得するまでにどれだけ時間がかかるか、整理しておきましょう。

メモ帳をご準備のうえ、「利用運送のホームページをみた」とお伝え下さい。

利用運送の許可取得までにかかる時間

さて、最後は取得までのスケジュールについてです。
ここまでチェックをして頂いて、何らか許可等が必要となった場合、いずれも取得には時間がかかります。
それぞれ必要な書類を準備して運輸支局に提出しますが、行政に提出後に審査を受けます。
この記事では一例として愛知運輸支局を含む中部運輸局が担当するエリアでの審査等にかかる期間について次の表を参考に抑えておきましょう。

一般貨物自動車運送事業の許可を持っている場合の選択肢

一般貨物自動車運送事業の事業計画変更認可申請(貨物自動車利用運送追加)
・1~4ヶ月

第一種貨物利用運送事業の登録
・2~3ヶ月

これらはあくまで目安の期間なので参考程度に留めておく必要があります。
いずれも相当な期間、事業をはじめることができませんので余裕を持った準備を心掛けてください。

行政書士土井孝仁

最後までご覧頂きありがとうございます。
もっと詳しく知りたい場合はぜひご相談ください。

メモ帳をご準備のうえ、「利用運送のホームページをみた」とお伝え下さい。

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この記事を書いた人

運送業などを経て行政書士事務所を開業。 一般貨物自動車運送事業の手続きを始めとした自動車関連業務の手続きに特化。

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